2017/05/09
タクシー会社の賃金規則に最高裁が判断 残業代控除「無効とは言えない」
稼いだ分の歩合給から残業代が控除される会社の賃金規則は違法だとして、東京のタクシー会社の運転手と元運転手計14人が、平成22年から24年までの未払い賃金の支払いを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は2月28日、「(賃金規則は)無効だとは言えない」と指摘し、無効とした二審判決は破棄、審理を東京高裁に差し戻しました。
同社の賃金規則は、残業手当や深夜手当、休日手当、交通費と同額を歩合給から差し引くというしくみで、会社側は「不必要な時間外労働を減らすためだ」と主張していましたが、会社側敗訴となった二審判決後に賃金規則を変更しています。
タクシー会社などでみられるこうした賃金制度は、実質的には残業代が支払われないものだと、その違法性が指摘されていますが、今回の最高裁の判断は、労働基準法で定める時間外労働の割増賃金の在り方に一石を投じた結果となりました。
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