健康保険法改正~標準報酬月額の上限等の引き上げ~
昨年5月に公布された医療保険制度関連の改正法により、今年4月から健康保険制度の一部が変わります。
健康保険の保険料や各給付金の計算基礎になる標準報酬月額は、従来、第1級の5万8000円から第47級の121万円までの47等級に区分されていますが、4月から等級が3つ追加され、上限が139万円に引き上げられます。
これにより、報酬月額が123万5000円以上の被保険者は、4月から新しい等級に該当することになります。
追加された標準報酬月額の等級の適用については、前年の定時決定(またはそれ以降の直近の随時改定)の際に届け出た3カ月平均の報酬月額が123万5000円以上である場合、その報酬月額を新しく追加される等級にあてはめ、4月から標準報酬月額を改定するとしています。
したがって、改定について事業主が新たな届出をする必要はありませんが、新しい標準報酬月額に改定された場合は、保険者から通知が届くことになっています。
なお厚生年金保険については標準報酬月額の上限(62万)の変更はありません。
賞与を支払った場合の「標準賞与額」(支給額の1000円未満を切り捨てた額)についても、4月から一年度(4月1日から翌年3月31日まで)の累計の上限が、従来の540万円から573万円に引き上げられます。
なお、厚生年金保険については、標準賞与額の上限は、1回の支給ごとに150万円と決められていて、同じ月に2回以上支給されたときは合算した額について適用されますが、この上限は従来のまま据え置かれます。
今回の変更は、報酬や賞与が高額でない被保険者に影響することはありませんが、上限が引き上げられることで、従来の上限を超える報酬などを受けている人は保険料が増えることになります。