2015/04/02
給与明細書に労働時間を記載しなければならないか?
毎月支払う給与の明細書には、基本給や手当などの支給項目と保険料や税金などの控除項目のほか、出勤日数や休憩時間、労働時間数などの勤怠項目を記載するのが一般的ですが、記載すべき項目については法令に定められてはいません。
給与明細の扱いに関して参考となるものに、賃金を口座振り込みで支払う際の使用者に対する行政の指導内容が示された労働基準法関連の行政通達があります。
それによると、使用者は所定の賃金支払日に次の①~③に掲げる金額等を記載した賃金の支払いに 関する計算書を交付することとされています。
①基本給、手当その他賃金の種類ごとにその金額
②源泉徴収額、労働者が負担すべき社会保険料額等賃金から控除した金額がある場合には、事項 ごとにその金額
③口座振り込み等を行った金額
これにおいても労働時間には言及されていませんので、給与明細に労働時間数の記載が無いことについて直接的には行政指導の対象にはならないことになります。
しかし、就業規則などに残業代など計算方法が示されていたとしても、集計された労働時間数を従業員自ら知ることができないと、計算方法に従って算出されたかどうか確認ができないので無用なトラブルにつながるおそれがあります。
したがって、給与明細に記載するか、記載しない場合でも別に労働時間を集計したものが有ればその結果を別な方法で通知するなどの扱いが望ましいでしょう。