36協定の限度時間には休日労働も含まれる?
36協定に時間外労働の限度を記載しているが、休日勤務の時間数は残業時間に含めるべきか?
<休日労働と時間外労働>
労働基準法では毎週少なくとも1日、または4週間に4日以上の休日を与えなければならないと定めています。
これを「法定休日」といいますが、「休日労働」とは、法定休日である1週1日または4週4日の休日に労働させることをいい、休日労働には3割5分以上の率で計算した割増賃金を支払うことが義務付けられています。
週休2日制など法定休日を超える日数の休日を設定している事業場においては、法定休日以外の休日に労働させた場合、それは労働基準法上の「休日労働」ではなく、通常の労働時間に含めて通算され、結果的に法定労働時間を超えた部分が「時間外労働」とされています。
<36協定に定める限度時間>
法定労働時間を超えて労働させる場合や法定休日に労働させる場合は、事前に36協定を締結し、労働基準監督署に届け出る必要が有りますが、協定に定める「延長することができる時間数(限度時間)」には法定休日の労働時間数は含まれず、それ以外の休日に労働させた場合で労働時時間にカウントされる時間数は含めることになっています。
つまり、1カ月の延長することができる時間数を45時間と定めている場合、1カ月を通じての延長時間からから法定休日以外の休日の労働時間は除外することはできず、こうして発生した時間外労働時間を含めて45時間以内にしなければなりません。
<限度時間超えは「違法」>
36協定を締結して届出を行っていたとしても、協定で定めた限度時間を超えた場合は、協定違反になるとともに労働基準法にも違反ことになりますので注意が必要です。
また、36協定に定める限度時間については、具体的な基準(厚生労働省告示)が定められていますので、実際に協定を締結する際にはこの基準に適合した限度時間とする必要があります。
ただし、臨時的に限度時間を超えて時間外労働を行わなければならない特別な事情が予想される場合には、一定の要件のもとで「特別条項」を付けた協定を締結し届け出をすれば、特別条項で定めた時間数まで限度時間を超えてさらに延長することも可能になります。
<実態に合わせた限度時間に>
以上のように、36協定に定める限度時間は、残業時間だけでなく休日の労働時間数も踏まえた上で、必要があれば特別条項付きの協定をするなど、実態に合わせた時間数の設定となるように見直すことや、日々の労働時間を適切に把握することが重要となるでしょう。